神戸新聞社 RECRUIT2025
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働き方を考える

編集局映像写真部

育休「当然」
理解ある仲間に感謝

小林 良多

KOBAYASHI RYOTA

2003年入社。編集局映像写真部、丹波総局、編集局整理部、明石総局、姫路本社編集部などを経て、2021年3月から映像写真部。

 妻40歳、私は41歳で初の出産を迎えました。「高齢出産」ですから不安の種は尽きず、ようやく予定日間近までたどりついた心地でした。さらに感染者数が最多となったコロナ第5波が重なりました。妻の実家から助けを借りることが難しくなり、産後は夫婦で踏ん張るしかない状況となりました。
 「育休取るんやろ?」。早い段階で所属長から声掛けがありました。同じ部署の同僚が半年ほど前に3週間の育休を取得していたこともあり、「夫が育児に関わるのは当然」という意識が職場には浸透していました。普段は事件や選挙、スポーツ、季節の風物詩まで幅広く撮影する仕事です。東京五輪・パラリンピックや衆院選が近く、繁忙が予想されるタイミングだっただけに業務のしわ寄せが周囲に及ぶのではと気に掛かりましたが、仲間の理解が背中を強く押してくれました。
 妻の退院から3週間の育休取得を申請しました。産院が開く「子育て教室」はコロナ禍のため休止となり、だっこも沐浴も未経験の見習い状態から始まりました。真夜中、鬼のように真っ赤になって泣き続けられた経験は強烈でした。妻が抱くとおとなしくなる場面も多く、母親の存在の大きさを痛感。幸いにして安産だったため、早くから2人分のマンパワーを注ぐことができましたが、もし妻の回復が遅かったら…。とても仕事をしながらでは対処しきれなかったはずです。
 近年、男性の育休取得率は上昇している一方、期間の短さが課題として指摘されています。自身の経験を振り返ると、確かに3週間は驚くほどあっという間に過ぎました。それでも24時間子どもと向き合う貴重な経験になったことは間違いありません。
 育休取得の体験談を書くことになり、妻に「3週間ほどでは大して役に立っていませんが」と水を向けると、笑いながら返事がありました。「でも職場の人が気持ち良く休みを取らせてくれたんでしょ。それはほんとにありがたいことよ」

※2022年