阪神総局を経て2026年3月から現職場。2022年4月入社。

新聞記者は個人商店である。入社して間もないころ、先輩記者にそう言われました。文章の書き方や取材スタイルは記者ごとに個性があり、担当はあるものの興味のあることに出くわせば掘り下げて記事にすることができます。会社員でありながらも、フリーランスのように個人の裁量は大きいです。
入社1年目の出来事です。「妖怪マニア」であることを上司に話すと、「書いたらええやん」と肩をたたかれて、連載を書きました。砂かけ婆や河童の話が伝わる場所を訪れ、古老から話を聞いて伝承の背景を探りました。筆力や取材力が未熟な新人記者でしたが、先輩たちの支えもあって全8回の記事を書ききることができました。普通の企業ではいくら妖怪が好きでも、仕事に持ち込むことは難しいでしょう。関心のあることを仕事にできるのは、個人商店のような働き方ができる新聞記者ならではの良さだと思います。
昨今、SNSやネットメディアが浸透し、「一家に一紙」が当たり前だった時代は遠い昔となりました。「オールドメディア」という言葉が示すようにマスコミ不信も日に日に強まり、記者個人への風当たりも強くなっています。就活生の皆さんの中にも、新聞記者の仕事には興味があるものの、不安感からエントリーをためらっている人もいることでしょう。
私自身、今後の新聞業界について全く不安がないと言えばうそになります。ただ、インターネット上には玉石混交の情報があふれかえり、生成AIの浸透で事実と虚偽の見分けがつきにくくなっています。そんな時代だからこそ、取材をして記事を書く記者の役割は高まっています。
入社5年目の今は神戸本社報道部で、主に事件・事故と地域の話題を担当しています。事件の対応といった日々の取材に追われていますが、妖怪の記事も書こうと思っています。