先輩社員に聞く

編集局報道部

さまざまな視点で物事を捉える

編集局報道部員

阪神総局を経て2024年10月から編集局報道部。2020年4月入社。

  

 私が入社した2020年4月は、新型コロナウイルスが流行し始めたころでした。未知の感染症にイベントや学校行事などはことごとく中止になり、自治体が発表する感染者情報の対応に奔走する日々でした。
 1年目、2年目は主に警察担当で、事件や事故があれば現場で取材をし、警察官に事情を聞くことが仕事でした。しかし、コロナ禍が原因で、マスクで相手の表情が見えなかったり接触を避けられたりと、取材がまともにできない場面が多々ありました
 「自分のやっている仕事に意味があるのか」と悩みながらも、がむしゃらに原稿を書いていました。

 大きな転機となったのは23年にあった芦屋市長選挙です。

 当時、26歳の男性が立候補したことが話題になり、「当選すれば史上最年少市長」と一気に全国で注目される選挙となりました。「若すぎる」「地縁がない」という声が多い中、交流サイト(SNS)や小規模な市民集会を巧みに使い、男性がみるみる内に市民の心をつかんでいく様子を間近で見届けました。投開票の日、私が「神戸新聞、当選確実出しました」と事務所で宣言すると、報道陣が一斉にカメラのフラッシュを光らせ、支援者たちが大歓声を上げた瞬間は今でも脳裏に焼き付いています。

 「なぜ26歳が市長になれたのか」「生い立ちや経歴は」「これから期待される施策」など、さまざまなニュースを発信して多くの反響がありました。芦屋市長選の取材を通して、見聞きしたことをただ文章にするのではなく、さまざまな視点で物事を捉えることを学びました。

 5年目の現在は多くの買い物客や外国人観光客でにぎわう三宮や、閑静な住宅街が広がる灘や東灘など、神戸市東部の警察署を後輩記者2人と担当し、事件や事故をはじめ地域の話題も取材しています。
 誰に読んでもらいたいのか、どんな情報が必要なのか。考えを常に巡らせながら発信し、少しでも読者の役に立ててもらうことが、記者という仕事の意味、そしてやりがいの一つだと思います。

学生へ一言

地域の話題から全国ニュースまで扱うことができ、多種多様な分野の世界を垣間見られる仕事です。興味のある方はぜひ記者という仕事を考えてみてください