神戸新聞社
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先輩社員に聞く

編集局 報道部

特ダネのため
「夜討ち朝駆け」繰り返す

那谷 享平

NAYA KYOHEI

編集局報道部、養父支局を経て2018年3月から編集局報道部へ、現在、兵庫県警本部を担当。2014年入社

  

 「夜討ち朝駆け」。新聞に興味がない人でも聞いたことがあるのでは。捜査機関や役所から情報を取るため、取材対象者を自宅近くや最寄り駅で待ち構え話を聞く取材方法です。兵庫県警担当の私が、繰り返している作業はこんな感じです。

 午後6時すぎ、目的の駅に到着。冷たい夜風に、上着を持ってこなかったことを後悔しつつ刑事さんの帰りを待ち始めた。
2時間経過。駅員に不審がられる。長時間同じ場所にいるので仕方ない。4時間経過。楽しげな酔いどれ会社員がうらやましい。時間を少しでも有意義にと用意した文庫本を開くが、読み進める気力がわかない。「俺、働き過ぎかなぁ」。じっと手を見る。6時間経過。まだ帰って来ない。「改札を出てくるところを見落としたか…」と疑心暗鬼になるが、「特ダネのため」。帰りたいのを我慢する。
 日付が変わった。休日にやりたいことを考える。旅行、海外サッカー観戦、あと合コン…。「でも、毎日こわもての警察官と仕事の話しかしないから、女の子とうまく話す自信ねぇな」と独り言。そして終電が去る。夜討ちは空振り。コンビニで缶酎ハイを1本買う。「次こそ特ダネをつかむぞ」。カラ元気で家路に就いた。

 皆さん、無駄と思うでしょう? でも、ネット社会になっても一次情報を持っているのは人です。庁舎で話が聞けないなら、外で直撃するしかありません。しんどいだけに、特ダネを書けたときの喜びは格別です。

学生へ一言

時に夜討ちの空振りにうんざり。時に取材で知らない場所へ出掛け旅行気分。時に誰かの生き死にを震えながら原稿にする。そんな仕事に興味を持った人はぜひ神戸新聞へ。